こんにちは、らむだやです。前回5/25のアーセナルに続いて、プレミアリーグのビッグ6に関する私見を述べていきたいと思います。今回は、マンチェスター・ユナイテッドです。
モウリーニョ体制2年目の今季は、残念ながら無冠に終わりました。これまでに補強に費やした金額を考えても、来年は真価を問われる年になるでしょう。
そもそもから話を始めますと、私はモウリーニョのサッカーが決して嫌いではありません。かつて(初めて)チェルシーを率いた時、サッカーがつまらないという批判が常につきまとっていましたが、ドログバとロッベンやランパードを軸にしたハイパーカウンターは非常に迫力があり、つまらないと感じた記憶はありません。レアルでも、C・ロナウドやエジルを軸にしたカウンターは恐ろしく鋭利で、得点の匂いがプンプンしていたと思います。
しかしながら、はっきり言って今シーズンのマンUのサッカーはつまらなかったです。私の好みが変わったのでしょうか?いや、多分そうではないはず。カウンターに鋭さがなく、攻撃が単調だったのです。最終戦のFAカップ決勝でも、攻撃の迫力を全然感じませんでした。これでは、プレミア優勝に手が届くとは思いません。
来シーズンは、モウリーニョのことなので更なる補強をした上で、カウンターに磨きをかけて覇権奪回を狙うものと(希望も込めて)思いますが、それではどこがマンUの補強ポイントなのでしょうか。
まず、今シーズン最前線に鎮座したのはルカクです。今シーズンのルカクは、期待されたほどの活躍ができなかったと思っています。もともとエバートンにいたときから、頻繁に攻撃に絡むタイプというよりは、数少ないチャンスが到来したときに怪物ぶりを発揮してゴールをゲットするという印象でしたが、それにしても今シーズンはチャンスの数が少なかったと感じます。エバートンよりはマンUの方が、チャンスの数ははるかに多くないといけないはずなんですけどね。
とはいえ選手のタイプとしては、かつてのドログバ同様、スピードもフィジカルも決定力もあり、カウンターサッカーにぴったりとはまりますので、来シーズンもルカクが前線の軸になることはほぼ間違いないでしょう。中盤のチャンスメイク回数が増えれば、彼のゴールも増えてくると期待しています。
ルカクの後ろでウィング的なポジションを取るのが、A・サンチェスとリンガードです。サンチェスは、5/25のアーセナル編にも書いたとおり、個人的に世界最高峰の選手の一人と思っているのですが、マンUに行ってからすっかり存在感が希薄になってしまいました。アーセナル時代の、相手を翻弄するかのようなボール捌きがほとんど見られないのです。精神的な問題でも抱えているのでしょうか?まだチームにフィットしていない?純粋なウィングタイプではないので、モウリーニョの戦術との相性もあるのかもしれません。ただ経験上、移籍1年目のパフォーマンスだけでその後の活躍ぶりを推し量るのは難しいと思っています。選手としてのクオリティに疑いは無いので、来シーズンに期待したいところです。もう一人のリンガードは、地味ですがモウリーニョが「成長した」と評価していましたね。ただし、地味です。個人的にはそこまで補強の優先度が高いとは思っていませんが、直近ではレアルのベイルにオファーを出したとの報道も見られます。ルカク・サンチェス・ベイルの夢の3トップが実現するんでしょうか。ただ私は、サンチェスもベイルも、左サイドで最も真価を発揮する選手と思っています。ベイルがレアルで今ひとつ存在感を示せていないのも、C・ロナウドに追いやられて右サイドにポジションが固定されているのが一因と思っています。そういう意味ではサンチェスとの共存が可能か、難しいところです。なお、ラシュフォードも良い選手と思っていますが、彼はウィングよりもセンターフォワードタイプと評価しています。ルカクという怪物がいる以上、活躍の場は限られてしまうかもしれません。
中盤は、ポグバ、マティッチ、エレーラが今シーズンのファーストチョイスだったと思います。ポグバは、高い移籍金に見合った活躍ができていないとの批判もありますが、個人的には今シーズン、マンUでほぼ唯一観ていて楽しかった選手です。ボールを持ったときのキープ力、スキルフルなアイデア、前線に出ていく迫力はすばらしく、むしろ高い移籍金に納得させられました。大事な試合で点を取ってチームを勝たせてもいますし、彼こそが覇権奪回のキーマンと思っています(モウリーニョとの軋轢の噂が若干、不安です)。次にマティッチですが、彼も非常に貢献度の高い選手です。圧倒的なボールキープ力を持っていますし、フィジカルも強い。まさに攻守の舵取り役となっており、替えの効かない選手です。チェルシーで、あのセスク・ファブレガスを控えに追いやったのも分からなくはない高いクオリティで、ポグバと並んで中盤の要です。この2人に比べるとエレーラは、悪い選手だとは思いませんが存在感がそれほどありません。ここは一つの補強ポイントになりうると思います。なおマタは、もうマンUで戦術的に必要な選手と思えません。他クラブに行った方が彼自身も幸せではないでしょうか。フェライニは、エバートンにいたころはけっこう好きな選手だったんですが、マンUではよく分からない存在になってしまいました。彼の適性はボランチではなくて攻撃的MFと思っています。技術はないけどフィジカルでごりごり押して、最後はヘディングでドン!みたいな。彼の価値を見直してポグバと並んで二列目で使う選択肢もありとは思うものの、報道が正しければ退団の濃厚のようですね。
そしてディフェンスです。センターバックは後半、スモーリングとフィル・ジョーンズでしたが、あまり安定感がありませんでした。ただ怪我がなければ、バイリーはいます。今シーズン獲得したばかりのリンデロフは駄目なんでしょうか。あまり見る機会が無かったのでよく分かりません。リンデロフの計算が立たないなら、一枚補強すべきなのでしょう。そしてサイドバック。右サイドのバレンシアは、前はウィングだったのをサイドバックの駒不足もあってコンバートされ、本職では無かったものの過去数シーズン安定感のあるパフォーマンスを見せてきたと思います。やはりウィング上がりだけあって、攻撃の鋭さに目を見張るものがありました。ただ年齢的にも32歳、今シーズンはさほど高いパフォーマンスを示せなかったと思います。ここは補強が必要です。さらに、左サイドは、ルーク・ショーやダルミアンなどいますが、結局アシュリー・ヤングが使われていました。この選手もバレンシア同様、マンUに来たときはウィングだったのがいつの間にかサイドバックになってますが、バレンシアと違って、何が良いのかさっぱり分からない選手です。ウィングだったころから突破力に疑問を持っていましたし、守備力もさほど。守備時の献身性はあると思いますが、なんか自分でボールロストして戻ってきている印象です。ルーク・ショーが報道通りモウリーニョとの不和で戦力外なら、左サイドバックが最優先の補強ポイントと断言できます。そもそも、現代サッカーにおいてはサイドバックの重要性が極めて高く、ここがおろそかだと、いくら前線・中盤に良い選手を並べても安定した成績は残せないと私は思います。だからこそマンCのグアルディオラも、今シーズン大枚をはたいて両サイドを3枚も補強したのでしょう。
最後にゴールキーパーですが、言うまでもなくデヘアは世界最高峰の守護神です。彼が移籍しないのであれば、それでOKです。
というわけで、補強ポイントはとにもかくにも両サイドバック、あとはセンターバック一枚と中盤一枚、余裕があればウィング一枚というところでしょうか。私はマンCが嫌いなわけではないですが、せっかくの戦国時代、2連覇されるのも癪なのでマンUにはひとつ頑張ってほしいところです。
それでは、また!