こんにちは、らむだやです。前回も書いたように私の趣味の一つはサッカー観戦なんですが、なかでも最も楽しく観ることができるのは英国プレミアリーグです。もともとはスペインのリーガ・エスパニョーラを中心に観ていて、リーガの、とあるクラブのファンなのですが、ファンであるがゆえに負けたときの精神的なダメージが大きくて、最近はそう気楽に楽しめなくなってしまいました。 

 

それに比べるとプレミアは、100%中立というわけではないものの、どっちが勝ってもそこまでのストレスを感じないため、素直にサッカーを楽しめます。もちろんサッカーのレベルは現時点でリーガと並んで世界最高峰ですし、加えてもう一つ良いことは、上位6チームの実力が比較的拮抗しているため、レベルの高いサッカーを楽しみたいため上位対決を中心に観戦しても、それなりの試合数を楽しめる点です。1シーズンに6✕5(ホームアンドアウェイ)=30試合ですかね、だいたい。 

 

さて、今日はその上位6チームの一角、アーセナルについてです。長年チームを率いてきたヴェンゲル監督の退任が決まり、公認はパリ・サンジェルマン前監督のエメリ氏になるようです。 

 

先述の通り、若い頃はリーガ中心に観ていたため、アーセナルが最も強かった時代(無敗優勝の年など)のヴェンゲルのサッカーをさほど知っているわけではありません。しかし、近年のサッカーを観る限り、比較的中立の立場で観ていても、アーセナルの試合は上位6チーム中、もっともストレスを感じるものであったと言わざるを得ません。 

 

ポゼッションを高めて攻撃的なサッカーを志向すること自体はなんの問題もありません。グアルディオラのマンCそうですし。しかし、マンCやほかの攻撃的なチームと違うと感じるのは、ボールの失い方が悪すぎる点です。せっかく自陣で相手のボールを奪って攻撃に転じようとしたときに、すぐにボールを奪い返されて再攻撃を食らうことが多々あるのです。特に、流れが悪くなるとその傾向が顕著になります。下位チーム相手ならともかく、上位対決だとこれは致命傷です。一旦流れが悪くなると、守っても守って二次攻撃、三次攻撃を食らう、、、これは観ていてストレスが溜まります。 

 

他のチームだとこの欠点をここまで顕著に感じることはほとんどありません。なぜ、アーセナルだけそうなのか。。。真因は分かりませんが、おそらくは流れが悪いときでもクリアして一旦切ることをしないで、無理につなごうとしすぎるからではないかと思います。また、そういう苦しいときにディフェンスを一枚剥がせる力のある選手が中盤にいないからでしょうか。いずれにせよ、近年のヴェンゲル・サッカーのリスク管理能力には大変不満を持っていました。攻撃の形自体はいいものも持っていただけに、なおさら残念です。エメリ監督に変わって、この部分が変わることを切に望みます。 

 

もう一つ、常々思うのですが、アーセナルは、選手が不必要に多すぎるような気がします。同じレベルの選手が多すぎると、選手層が厚いというよりは、出場機会が減ってモチベーションの維持が難しくなるような気がします。以前、マンCのグアルディオラ監督が、一軍の最適な人数は20人くらいと言っていた記憶がありますが(間違っていたらごめんなさい)、全く同感です。一方のアーセナルは、一人ひとりの選手にはあまりお金をかけないのに、選手数が多すぎて、結局コスパの悪い補強をしている印象を強く持っています。例えば、移籍金60億円の選手を一人取る代わりに、移籍金20億円の選手を3人取っているような。あくまで例えですが。 

 

というわけで、来シーズンに向けては、選手数を絞りながら適所での選手補強が必要と考えています。戦力的にアーセナルの弱い部分はどこなのでしょうか。中盤のレギュラー候補であるエジル、ラムジー、ウィルシャー、ジャカは、上述の通りディフェンスを剥がす力がそこまで高いとは思わないものの、パス能力の面ではクオリティの高さを感じます。中盤はアーセナルの強みであり、補強の優先順位が高いとは思えません。次に前線について、オーバメヤン、ラガゼット、ムヒタリアンがいますが、サイドアタッカーの選手がムヒタリアン以外いないように思います。サンチェスがマンUに移籍してしまったのは、返す返すも痛いですね。彼はサイドアタッカーも最前線もこなせる、現時点で世界最高の選手の一人だと思っていたので。誰か一人サイドアタッカーを補強したいところです。ちなみにウェルベックは、マンU時代から時々観ますが、いまだに持ち味がよく分かりません。まさに上述の通り、移籍金が安かったからといって、不必要な選手を増やしてしまった一例だと思っています。 

 

最後にディフェンスです。中央のコシエルニとムスタフィは個人的には及第点と思っています。左サイドはモンレアルとコラシナツ。モンレアルはどこが悪いというわけでもないですが、ぱっとしない印象です。もういい年ですし。コラシナツは移籍初年度の今年、期待通りの活躍とはいきませんでしたが、パッションを感じるし、期待込めてまずは彼に託す感じでしょうか。それよりなにより、私がもっとも疑問に感じているのが、右サイドのベジェリンです。バルサ下部組織出身で、抜群のスピードを誇る俊英、という触れ込みですが、、、正直なところ看板倒れだと思っています。スピードはともかく、攻撃に出たときのクオリティが低すぎるのです。いいところまで上がってはくるのですが、いかんせんクロスがしょぼい。今シーズン、まともなクロスをほとんど見たことがありません。一本でも得点につながるクロスを上げたのかい、と思ってスタッツを調べたところ、成功したクロス10本、アシスト3という数字が見つかりました。ゼロでは無かったようです。出場時間3,000分強なので、300分に一度、クロスが成功して、1,000分に一度、アシストしたことになります。ゼロではないですが、あまりいい数字とも思えません。 

 

ただそれだけだとフェアではないので、スタッツでサイドバックの横比較をしたいと思います。同じチームの左サイド、コラシナツと、ビッグ6の他チーム右サイドと比較してみました。ベジェリンは4バックの時はサイドバック、3バックの時はサイドハーフなので、なるべくその役割に合わせたつもりです。 

 

 

チーム 

サイド 

出場時間(分) 

クロス 

クロス成功率 

アシスト 

ベジェリン 

アーセナル 

 

3,051 

64 

16% 

3 

コラシナツ 

アーセナル 

 

2,152 

42 

14% 

4 

アーノルド 

リバプール 

 

1,575 

102 

17% 

1 

バレンシア 

マンU 

 

2,743 

79 

18% 

1 

トリッピアー 

トットナム 

 

1,914 

122 

19% 

5 

ウォーカー 

マンC 

 

2,787 

56 

9% 

6 

モーゼス 

チェルシー 

 

2,119 

90 

21% 

3 

 

こうして見ると、思ったほど悪くはない印象とも言えますが。。。マンCのウォーカーは6アシストとさすがです。クロスとクロス成功率は低いですが、彼は3バックの時サイドハーフでなく右バックを担当するので、その要因もあると思われます。一方でチェルシーのモーゼスは3バックのサイドハーフなので、攻撃面のスタッツは有利に出ていると思われます。ウォーカーの後釜でトットナムのサイドバックを担当するトリッピアーとの比較では、だいぶ負けています。アーノルドやバレンシアとはいい勝負ですが、アーノルドはまだ19歳、しかも前線には今季無双だったサラーがいて、アーノルドの攻撃の重要性がそこまで高くはなかったとも言えます。バレンシアはかつてウィングからコンバートさ攻撃力が持ち味のサイドバックとなり、私も良い印象を持っていますが、彼も32歳になり、少なくとも攻撃面ではあまり違いを出せなくなってきましたベジェリンは、そういったプレイヤー良くてどっこいどっこいだったという感じです。 

 

振り返ってみると、伝統的に私はアーセナルの右サイドバックにストレスを感じることが多かったです。ベジェリンの前に数シーズンレギュラーを張っていたサーニャも、何が良いのかさっぱりわかりませんでした。その更に前のレギュラーだったエブエにも毎試合ストレスを感じていました。おそらく、私が攻撃センスを重視する一方でヴェンゲルはサイドバックのフィジカル重視なのかな、と推察はしますが、それにしてもフィジカル面でもさほど彼らに良さを感じたことがないので不思議です。左サイドバッククリシーやアシュリー・コールなど、良い選手も多かったと感じるだけに、なおさら謎です。 

 

話を戻すと、ベジェリンはまだ若いだけに成長の余地も大きいとは思うものの、今季のプレーを見る限り、右サイドバックに即戦力を補強してほしいと切に望みます。 

 

ゴールキーパーは、チェフはもう年なんでしょうか。彼の過去数年の貢献は絶大だったと思うのですが。補強すべきかどうか、判断しかねます。 

 

まとめると、サイドアタッカー一人と右サイドバックが私の提言する補強ポイントです。どうなるか見てみましょう。まあ、期待通りの補強がなされたとしても、他のビッグ6と選手のクオリティで肩を並べるとまではいえないと思いますが(特に、マンCとは)。。。エメリ監督に期待するものの、プレミア優勝は遠そうです。