こんにちは、らむだやです。アーセナル、マンU、チェルシー、リバプールに続いて、プレミアリーグのビッグ6に関する私見を述べていきたいと思います。今回は、トットナムです。 

 

 

ポチェッティーノ体制で、近年はチャンピオンズリーグ出場権を得る4位以内に安定的に入っており、地力に疑いはありません。毎年のように主力選手を引き抜かれながらも戦力を落とさない手腕は脱帽するほかありません。また、サッカーの内容も観ていて面白く、評価も高いです。 

 

来シーズンそこから一歩突き抜けて悲願の優勝を成し遂げるには、どのような補強が必要なのでしょうか 

 

まず最前線を担うのはハリー・ケイン。トットナムの絶対的エースです。個人的には現時点で、世界最高のストライカーではないかとも思います。ずば抜けたスピードや高さがあるわけではないのですが欠点のない万能型で、なによりボールを持ったときもしくは受けるときに得点の匂いがプンプンします。一昔前で言うと、ファン・ニステルローイに近い雰囲気でしょうか。ワントップは彼で決まりです。 

 

ただ、時々まだ存在感が希薄になってしまう試合が見受けられます。特にイングランド代表だとあまり活躍できていません。そのあたりを克服して一段の進化を遂げれば、クリスティアーノ・ロナウド、メッシの次の世代の「世界最高」の評価を受けることも十分に可能と思います。 

 

その後ろで攻撃を担うのが、デレ・アリと主にソン・フンミンです。アリは、いかにも現代の攻撃的MFの典型という選手です。フィジカルが強く、走力もスタミナもあって走り回る。パス・トラップの技術も高く、前線に飛び出してゴールも決められる(ヘディング上手いです)。同じ攻撃的MFのマンCのデブルイネと比較すると、ボールを持って前に運ぶ推進力や、ピンポイントのパスについてはデブルイネの方が上手と思います。一方で前線に飛び出してゴールを決める力はアリの方がありそうです。イメージとしては、中盤でこまめにボールに触りながら走り回って相手を撹乱し、オフザボールで前線に上がって決定的な仕事をする選手、という感じです。デブルイネ相手だと存在感の面でどうしても分が悪いですが、好選手だと思います。まだ若いし、さらに一皮向けて飛躍するのか、来シーズン注目です。ソン・フンミンは、サイドで仕事ができる選手ですね。サイドアタッカーについては、悔しいですが韓国の方が日本よりも圧倒的に良い選手を輩出していると思います。今シーズンのソン・フンミンの活躍は見事だったと言わざるを得ません。 

 

次に中盤に目を移すと、エリクセン、ダイアー、デンベレがいます。エリクセンは、いまやビッグクラブも注目のゲームメイカーでテクニック抜群、フィジカルもあります。最初見たときはシュート精度が今一つかと思いましたが、今シーズン見ていると決してそんなことはありませんでした。私が良く行く酒屋の店主(イタリア人、ユーベファン)もエリクセンを絶賛して「ユーベに欲しい」と言ってます。ダイアーは、センターバックをやることも多かったですが、最近は中盤に戻ってきましたね。守備力も高さもロングパスもある、まず安定感のある選手です。不満はありません。そしてデンベレ。個人的には、デンベレはもっとビッグクラブに行っても十分に活躍できたのではないかと思います(トットナムは十分にビッグクラブだと反論されるかもしれませんが)。ボールを持ったときのキープ力は怪物的で、例えばバルサのブスケツやマンUのポグバ、レアルのモドリッチなどと比較しても勝るとも劣らない、世界最高峰です。もういい年なので、今からビッグクラブに移籍することはないんでしょうが。。。あと、ハリー・ウィンクスという若者もいますが怪我のため最近見ていません。こちらも来シーズン期待です。 

 

ディフェンスラインについては、センターバックはフェルトンゲンとワニャマがファーストチョイスでした。どちらもそれなりに良い選手だとは思うのですが、今シーズンの守備は昨シーズンまでと比べるとスキが大きかったようです。来シーズン、勝ち点を伸ばすためには守備の強化が必要と思います。センターバックは、もし補強するなら、優先度高いポジションです。両サイドバックは、トリッピアーとダニー・ローズもしくはベン・デイヴィスでした。右のトリッピアーは、カイル・ウォーカーがマンCに移籍した穴を見事に埋めてくれました。こうやって、主力選手が移籍してもきちんと穴が埋まるところがトットナムのクラブとしての強みですね。左は今季振るわなかったもののダニー・ローズは実力者ですし、ベン・ディヴィスもよくやったと思います。最後に、ゴールキーパーのロリスも良い選手です。 

 

こうして見ると、穴といえる穴は無いですね。センターバックが唯一の補強ポジションでしょうか。ポチェッティーノ監督は良いチームを作っています。 

 

ただし、じゃあトットナムを来シーズンの優勝候補に挙げられるかというと、そうは言えません。みな良い選手ではあるものの、多額の投資をして補強しているマンC、マンUと同水準とは言えないでしょう。とはいえ、トットナムがマンC、マンUと同じような補強をするというのは、クラブ経営を考えると現実的ではありません。現有戦力の熟成に磨きをかけ、同時に若手の底上げを図って地道にクラブの総合力を少しずつ上げていくしかありません。その上で、来シーズンもし他のビッグクラブがコケてくれるような展開になれば、、、そのときは優勝の可能性も見えてくることでしょう。